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Posted by さがファンブログ事務局 at 

2012年04月03日

野良猫フクちゃん、安らかに

私の実家の近くに
育っていた野良猫の一匹が亡くなった話を書こうと思います





先日 私の実家を 訪れると

玄関から外に 出てきた
私の母に

野良猫たちが

「ごろにゃんごろにゃん」と
言いながら すり寄ってきました

ニコニコしながら 抱き抱えて 何やら猫と会話を している母

微笑ましい光景です
この猫たちは、産まれた直後に母親を亡くし、私の母が、猫嫌いの父や、御近所さんにも内緒で、隠れた場所で世話をして育ててきた野良猫です
近所の無人の小屋に育った子猫たちは
いまや生後五ヶ月ほどになり

行動範囲も徐々に広がり

いつの間にか 母の居場所(家)を見つけ

実家の庭で 遊ぶようになったようです


私が実家に行く度にこっそり一目様子だけ見たりしていましたが、庭で見るのは初めてで、堂々としていました
見る度に 大きくなってきました

日向ぼっこをしたり
お互いの、顔の届かないところを舐めて毛繕いをしたり

のんびりと 春を過ごしている 三びきの 子猫… 三びきの子猫…

「この前、フクちゃんが死んでしまったのよ」

母が残念そうに言いました



(ここからは妹から聞いた話を元に書きます)

去年の初冬のこと
妊娠している野良猫がいました 母猫は
もう何度も妊娠出産を経験している猫でした


またお腹の大きくなった雌野良猫を 私の母は
もうすぐ、出産が近いだろうと気にかけていました


ある日 近所の他所の畑の隅に お腹のぺちゃんこになった母猫が 横たわって冷たくなっていたのです


それを見た 母は 雌猫を弔い、 出産を済ませてる事から、子猫の身を案じて子猫がどこにいるか探しました



そして、 案の定、生まれたてで 飲む乳もなく 死にかけている 小さい子猫たちを 発見したのです


発見したとき兄弟のうち 一匹は 他の四匹の下敷きになって既に息がありませんでした



野良猫の赤ちゃんは寒い季節に 母親もなく… となれば
あと数日の命だったろうと思います


母は、もちろんまだ目も開いておらず、寄り添いあった四匹の弱りきった子猫たちを見て
「この子たちは弱りすぎているから生きても長くないだろう、
命があと何日もつかわからないけれど、ひもじい思いをさせるのは忍びないから誰にも内緒で世話をしよう」、と決めました
四匹それぞれに名前もつけて…


母は 雨風を凌げる小さな小屋に、温かく過ごせるように毛布を用意して 温めた牛乳やおかゆを用意して 毎日運んだそうです

最初は四匹とも病気のような感じで体調も悪く 牛乳ひとつ飲ませるのにも苦心したらしいです でもだんだん牛乳やおかゆを飲んだり食べたりするようになり、どうにか命が持ちこたえ、目が開いて初めて見る、餌を与えてくれるのが私の母で、子猫たちは私の母を自分達の母と思い、成長してきたのです
母は衛生面には気を付けて、体に蚤取り粉をつけてやったり、周りを掃除してトイレの砂換えも毎日していたそうです

どんな日 も 一日も欠かさずひそかに 野良猫の世話をするのは さぞ大変だったろうと思います



やっとここまでみんな立派に健康に大きくなって人にもなつく猫になったのですが…




三月も下旬のある日 母が 様子を見に行った時に 三匹しかいなく、フクちゃんと言う名の一匹がいません
「あれ、フクちゃんはどこに行った?」フクちゃんと何度名前を呼んでも返事がない


おかしいと 思い
小屋の周りを見てみると
血を吐いて横たわった 動かないフクちゃんの姿があり
温かいけど息をしていなかった ……


「フクちゃん!」



驚き悲しみながら フクちゃんを 埋葬することを考え いったん 家に戻り 私の妹に伝え、 やりかけていた
二階の洗濯物を 手早く片付けようとしていた時



カラスが カァカァ 言いながら 寄ってきて

フクちゃんの体を 狙っていた のが二階ベランダから見えたそうです


それを見た母は
「フクちゃんの体を傷つけるなー!!」 といって
急いで かけおりて猫のところに行きました
妹もあわてて 一緒にかけつけました
そこで カラスを 追い払い
母は、息の無い フクちゃんのなきがらを 拾い上げて 抱き締めました

「よしよし、痛かったね、苦しかったろう、」といいながら 名前を呼び掛けながら

「痛かったね…でももう大丈夫だよ、今からお母さんのところに会いにいけるね」

「本当のお母さんの元へ行くね」






母と妹は、 裏の野原の脇にある 桜の木の下を 掘り、 そこに フクちゃんを 埋葬しました


妹は 最後の別れをするとき


撫でるとまだほんのり温かいようで、毛がフワフワで 生きてるようで…、

ボロボロ泣きながら少しずつ土をかぶせていきました



「私は今までフクちゃんのお腹だけはすかせないようにしてきたから…後悔無く本当のお母さんの元へ行かせられる」と母は言ったそうです





フクちゃんの
突然すぎる死因は
今でもわかりません …

不可解なのですが、妹は 触った時に
足を骨折してるように感じたと言います


もし交通事故だとしても
車道からちょっと離れたその小屋まで
自力で戻れたのか 疑問があります


前日までは とても元気だったそうです



どちらにしても
フクちゃんは 亡くなってしまいました
フクちゃんの眠る場所の桜の花は埋葬した後から咲き始め今見事に咲いています

きっと
またお母さんと会えて
兄弟を 見守っていることでしょう



今まで
かわいい成長を見せてくれてありがとう
フクちゃん 安らかに眠ってね …
  


Posted by あつこ at 04:16 | Comments(3)